愛嬌のある姿と比較的おだやかな性格から、近年はペットとしても注目を集めているこのカメ。ペットショップなどでもミシシッピニオイガメと並んで入手しやすい種類かと思います。
特徴
カブトニオイガメ(学名:Sternotherus carinatus)は、北米原産の水棲ガメです。
背中の甲羅には鋭くとがった「キール」と呼ばれる突起があり、まるで兜のような見た目をしています。
ちなみに英語名は「レザーバックタートル」。剃刀のように尖った背中のカメという意味ですね。
分布地域はアメリカ合衆国南部(ミシシッピ川流域など)です。
比較的小型で飼いやすく、人になれる個体も多いため、初心者にもおすすめの種類です。

体長・寿命
大きさ:成体でおよそ12~15cm前後
寿命:平均15~20年、環境が整っていればさらに長生きすることも
性格:おとなしく、あまり攻撃的ではありません

ウチでの飼育環境

水槽
購入直後(甲長4cm)は小さなプラケース。
記事を書いている時点で甲長7cmですが、40cm程度のロータイプの水槽で飼っています。
飼育用品が揃っていないようでしたら、セット商品もよいと思います。
濾過
プラケースの時期は濾過器は入れず、マメに全換水。
40cmロータイプ水槽の今は、水作フラワーのみ入れています。
水温
25℃~28℃が適温とされています。
ウチではまだ水槽が小さいので爬虫類などに使用するパネルヒーターを水槽の下に敷いて28℃前後にしています。
陸地
一般的には陸地を作ったほうがよいとされていますが、ウチでは水深を深めで飼育しているので、陸地は作っていません。
ライト
屋内飼育なので、紫外線ライトを1日数時間照射しています。
うちは赤ちゃんからの飼育で、甲羅の成長不全やクル病が怖かったので、ここだけはかなり気にして飼育しています。
少しお高いですが、ゼンスイのLEDタイプの紫外線ライトがコンパクトでお勧めです。
おかげ様で、今のところ甲羅もキレイで元気に育っています。
底砂
一般的には管理が楽なためベアタンクが良いとされていますが、底砂を敷く利点もあるので賛否が分かれるところかと思います。
私は底砂を敷きたい派ですが、子亀の砂の誤飲が怖くて、悩んだあげく飲み込めないサイズのリングろ材を敷き詰めています。
エサ
人口飼料(カメブロスプレミアム)のみを1回/日程度あげています。
大人になったら2日に1回程度でよいようです。
混泳
基本的には単独飼育が推奨されます。
しかし、割とおとなしいので、条件が合えば他の生き物との混泳も可能です。
混泳相手 | 混泳の可否 | 注意点 |
---|---|---|
他のカブトニオイガメ | △(条件付き) | 広い水槽・性別バランス・性格に注意 |
他種の水棲カメ | △(条件付き) | 病気・攻撃性・生活スタイルの違い |
小型魚・エビ類 | ×(捕食対象) | 高確率で食べられます |
中〜大型魚 | △(一部可能) | 例外的。魚が攻撃される・攻撃することも |
プレコ・ドジョウなど底棲魚 | △(相性次第) | 隠れ家必須。慎重に様子を見ること |
ウチではもう少し大きくなったら、ミシシッピニオイガメとの混泳を考えています。
病気
病名 | 甲羅の病気(甲羅腐れ/シェルロット) |
---|---|
症状 | ・甲羅の表面が白く濁る、柔らかくなる ・黒ずんだり、へこむ箇所がある ・悪化すると臭いや出血を伴うことも |
原因 | ・水質の悪化 ・紫外線不足によるカルシウム代謝の不調 ・外傷からの細菌感染 |
予防法 | ・水槽内を清潔に保つ(こまめな水換え・ろ過の強化) ・バスキングライト・UVBライトの設置 ・甲羅干しができる陸場の用意 ・カルシウムを含むバランスの良い食事(乾燥エビ、カルシウム添加剤など) |
対処法 | 初期段階であれば、水換えと紫外線の強化で回復することがあります 悪化している場合は、爬虫類に対応した動物病院で診てもらいましょう (抗生物質が必要なケースもあります) |
病名 | 呼吸器感染症(肺炎) |
---|---|
症状 | ・水面で首を伸ばして長く呼吸する ・くしゃみのような音を出す ・鼻水、目ヤニ、浮き気味で泳ぐ(バランスが取れない) |
原因 | ・水温の急激な変化や低温状態 ・冷え込みや換気不良による体力低下 |
予防法 | ・水温は常に25〜28℃に保つ ・ヒーターとサーモスタットで温度管理を徹底 ・水槽の置き場所は直射日光や冷気の当たらない場所に |
対処法 | 初期であれば保温を強化し、静かに様子を見る 改善が見られなければ、病院での診察・抗生物質治療が必要です |
病名 | 目の病気(結膜炎・目の腫れ) |
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症状 | ・目が腫れて開かない ・充血、涙、白い膜がかかっているように見える |
原因 | ・水質の悪化(アンモニアや亜硝酸) ・ビタミンAの不足 ・水中の異物や細菌感染 |
予防法 | ・水換え・フィルターの定期的なメンテナンス ・ビタミンAを含んだ餌(肝油、レバー風味のペレットなど) ・カルキ抜きした新鮮な水の使用 |
対処法 | ・ビタミンAのサプリメントや目薬を使用(※獣医の指示が望ましい) ・症状が進行している場合は、速やかに動物病院へ |
病名 | 拒食(ごはんを食べない) |
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症状 | ・食事に興味を示さない ・元気がなく、じっとしている ・体重が減る、甲羅がやせ細る |
原因 | ・温度管理が不適切(寒すぎる・暑すぎる) ・水質の悪化によるストレス ・環境の変化(引っ越し、レイアウト変更など) ・病気の前兆として現れることも |
予防法 | ・温度・水質の安定管理 ・バスキングスポットや隠れ場所を確保し、ストレスを減らす ・日々の観察で変化をいち早くキャッチ |
対処法 | ・一時的であれば環境を整え、温かくして静かに見守る ・数日〜1週間以上続く場合や、他の症状も見られる場合は、病院での診察が必要 |
カブトニオイガメを健康に保つための7つの予防習慣
- 清潔な水環境を維持する(濾過の無い環境では1回/日が基本。濾過のある環境で1回/週以上)
- 安定した水温を保つ(25〜28℃)
- 紫外線ライトと陸場を用意する(甲羅干しの時間をつくる)
- バランスの良い食事を与える(人工飼料+サプリメント)
- こまめな観察(甲羅・目・泳ぎ方に異常がないか)
- ストレスの少ない環境を心がける(静かな場所、急な変化を避ける)
- 予備知識と病院情報を事前に調べておく(対応可能な爬虫類専門病院)
まとめ

カブトニオイガメは、適切な環境と日々の観察を怠らなければ、丈夫で飼いやすい水棲カメです。
ただし、環境が崩れたときには、病気が急に進行することもありますので、「早期発見・早期対応」が何より大切です。
何より愛着を持って飼ってあげましょう。
ではでは。
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